🐟sound good days🐟

全てフィクション、嘘。伝えたい時に伝えられるように頭の中のイメージを言語化しておくため。

ヘーゲルの歴史観から唯物史観へ

ヘーゲルは、歴史とは絶対精神(=理性)が、その本質を次第に顕現させていく過程であるといいました。

絶対精神はいわば、世界の根源であり、はじめはどこかに潜んでいて人間には分からないが、次第にその姿を現わしていき、その過程が歴史である。このように、ヘーゲルは主張しました。

 

ヘーゲル歴史観においては、歴史の主体が絶対精神であり、絶対精神が人間を知らないところで背後から操っているにすぎません。加えて、歴史そのものがはじめから目的論的に決定され、絶対精神の摂理によって支配されており、人間もこの摂理に縛られている。と言います。

 

ヘーゲルと決別したマルクスが歴史について考察するスタンスは、実際に生き、生産活動に従事する人間に光が当てられ、そこからなされます。

それはマルクスの人間観の「生産する存在としての人間、人間とは社会的諸関係の総体である」に基づいており、人間の物質的生産活動こそ、社会や歴史の基礎だと考察しました。

 

つまり、絶対精神や理性のような人間の頭で勝手に考え出した観念的なものではなく、実際に物を生産するその活動、すなわち生産活動こそが社会や歴史の「土台」となる。そして、その土台の上に、法律・政治・学問・道徳・宗教などの精神的活動の所産が成立する。前者を下部構造、後者を上部構造といい、この上部・下部構造が社会全体を形成している。と